2006/04/26



苦悩の末、決断した気管切開後は、

声を失うというとてつもない恐怖と絶望を

克服したかのように見えたのだったが。

呼吸は、抜群に楽になった。

当時は、常に息苦しさを覚えていた。

「生きていて本当に良かった。」と思ったものだった。

当時、医療関係者から「同じ病気の人にも気管切開を薦められますか?」と、

聞かれた事があったが、

「ぜひすすめたい」と、答えたが、

今、同じ質問を受けたら、なんと答えるであろうか。



今は、必ずしも自然死を否定するものでもないと思う。

気管切開後は、精神的負担はもとより、

経済的な負担や人的な負担、様々な困難が、山積みしている。

現在、ALS患者は数千人と推定されているが、

毎年、自然死を望んで亡くなる人が、何人もいるという。

当事者としては、その背景をわからないでもない。

何だか、やり切れない話ではある。

それなりの社会生活を営むためには、

やはり、それなりの余裕が必要なのであろうか。