『小春日和』
2011/01/26
冬至を過ぎると、日に日に日がのびて、日の入りが遅くなる。 日の出は、1月15日を過ぎないと、はやくならない。 いよいよ、春に向かって、動植物が胎動し始める。 この時期のポカポカ陽気を、「小春日和」という。 私のALS生活も、「小春日和」にあった。 ささやかな喜び、心ときめく出会い。 私のALS20年は、冬至のままだが。 最近、ALS生活20年を、よく振り返る事がある。 というのも、還暦を目標にしてきたからだ。 トンネルのはるか向こう、灯りらしきものが見える気がするが、 錯覚かもしれぬ。 交代のヘルパーさんがいらっしゃった。 そのヘルパーさんの後ろから子猫の「小春」が、ついてきた。 私のベッドの前で停まると、「小春」は、私の顔を見て、 ベッドに跳びのってきた。 そして、「いいかな」と言うような素振りを見せながら、 私の膝の上に丸くなった。 「小春」は、いつものように、気持ち良さそうに、 一眠りし始めた。 春が来た、春が来た。 どこに来た。 山に来た、里に来た。 ・・・・・・! |