『FOR YOU』

2010/10/03

 



男女間の恋愛は、「FOR YOU」で始まり、

「FOR YOU」で終わると言っても過言ではないだろう。

高橋真梨子のアンサーソング「ジョニーへの伝言」と「五番街のマリー」は、

その典型であろうか。

ジョニーが「マリーに悲しい思いをさせたことが気がかり」と言えば、

マリーは「私は大丈夫、また元の踊り子で稼げるわ」と、応える。

「FOR YOU」である。

しかし、マリーが「私は私の道を行く」ときっぱり言い放ったのに、

ジョニーは「可愛いマリー、今どこに?」

これは「FOR YOU」ではなく、恋愛のパターンであるが。

介護の世界でも「FOR YOU」はみられるだろう。

介護される側にとって、究極の介護とは「FOR YOU」であろう。

しかし、「FOR YOU」の介護はなかなかみられない。

「FOR YOU」の前に「FOR MONEY」があるからだ。

その昔、「FOR YOU」の介護を受けたことがある。

更に進んで「FOR LOVE」の介護を受ける方も稀にはいるだろうか。

「WITH LOVE」である。

四畳半の狭い部屋に寝ていても、介護をめぐって様々な人間模様が

めくるめく展開されるのである。

そんなシーンの渦中にいながら、私は他人事のように呟くのである。

「あぁ、介護」と。