『天使になった二人』

2010/08/16

 



ほとんど連日のように起きる殺人事件には、いささか食傷気味である。

凶悪事件でさえも、報道当初は興味をひかれて見るが、

私の感性は動かない。

それは、様々な事件が頻発する為に、

それらに関しても免疫ができてる為であろうか。

しかしである、大阪の幼い姉と弟の置き去り事件は、

あまりに悲惨で、残酷だ。

私の感性はフル稼働し、涙腺は緩む。

昼、夜問わず、幼い姉弟の寄り添う姿が彷彿して、私の胸を締め付ける。

日を追うごとに、この悲惨な事件の全容が明らかにされつつある。

報道によると、幼い姉弟は、寄り添うようにして亡くなっていたとのこと。

冷蔵庫は空っぽで、出口はガムテープで密閉されていたという。

実の母親は、幼い我が子の死を想定していたという。何ということか!

言葉がない。

実の我が子を、何という残酷なやり方で、死に追いやったのであろうか。

1才の弟は、衰弱しきって瀕死の状態で、泣く気力も体力もなく、

ただひたすら姉に寄り添っていたと思われる。

3才の姉も、瀕死の状態で、最後の力を振り絞って、

「ママー、ママー!」と叫んだに違いない。

やがて、弟が息絶えて、追うように姉も息絶えたのであろう。

二人寄り添ったまま!

その光景を思うと、私の胸は締め付けられそうになるし、涙腺は緩む。

周囲の人は姉の叫び声を確認していたし、行政の人も三度も訪れながら、

入室はしなかったという。

なんと、無神経で感性の無い大人達であろうか。

大人達によって幼い姉弟は、見放されたと言っても、過言ではないであろう。

私は何故これほどまでに、この幼い二人に固執するのであろうか?

現在私は末期のALSで、意志の疎通が難しくなってきている。

やがて更に、私の状態が悪化するにつれて、

幼い二人に固執する理由が分かってきそうな気がするのだが。

私は不謹慎なクリスチャンだが、この幼い姉弟のことを祈らずにはいられない。

「神よ!この幼い姉弟を天国にお導きくださって、

安らかな眠りをお与えください。

そしてこの二人を、天使にお召しくださいませ。

イエスキリストの御名によってお祈りします。アーメン」

この二人の母親は、人間であっても人間ではない!

最近、殺人罪で逮捕されたという。当然である。

この鬼には、生涯をかけて、この幼い二人の冥福を祈ってほしいし、

ともらってもらいたい。

ある日の早朝に、この鬼が収鑑されている刑務地の上空を幼い二人の天使は、

飛び回っていた。

すると、弟の天使はかすかに「ママーッ、ママーッ」と叫んだという。