6
『ジェラシー』

2010/03/09

 



犬より猫の方が、嫉妬深い。

興味深いデータである。

一般的には、犬の方が、嫉妬深い、と思われがちだが。

アニマルセラピストも、証言しているので、

間違いのないデータであろう。

私も、子供の頃に、

犬の「ピート」と、猫の「タマ」を飼っていた時がある。

「ピート」は、従順で、忠実で、

いつでも、私にしっぽを振って愛想をふりまいてくれる。

一方、「タマ」は、無愛想で、「タマッ!」と呼ぶと、

立ち止まるが、餌を持っていないと、無視して、立ち去るのである。

気まぐれとゆうか、わがままというか、全く自己中である。

気ままだ。

そんな性格の猫が、なんと、やきもち焼きだったのである。

ある時、私が「ピート」と、戯れて、遊んでいる時に、

そのシーンを横目でみていた「タマ」が、私と「ピート」の、

一瞬の隙を見て、「ピート」に、襲い掛かり、「ピート」の足に噛み付いたのである。

普段は、仲の良い「二人」なのだが。

当時は、わけのわからない私は、「タマ」を激しく叱ったのだったが。

その時の「タマ」は、しっぽを丸めて、

静かに立ち去る姿を、私は今でも、思い出す事ができる。

今思えば、「タマ」は、私と「ピート」に、やきもちをやいていたのであろう。

「かわいいー!」

このような事は、人間にも、いえそうである。

さりげなく振る舞っているが、実は、強烈な嫉妬心を持っている女性がいたりして。

いわゆる、「猫タイプ」の女性である。

そういえば、色々なシーンで、思い出すのは、誰かさんである。

人間の生き様は、全て嫉妬心が、かかわっているように思えるのだが。

その典型が、恋愛であろうか。

恋愛は、嫉妬心との葛藤である、と、言っても過言ではないのであろう。

嫉妬は、独占欲の現れであるが、独占欲を緩和させれば、

やきもちも緩和される。

男の浮気は、その辺の苦悩から、派生するものである。

なんちゃってー!

ところで、あの「タマ」は、天国でどうしているだろうか。

今思えば、愛しい限りである。

「ターマ、タマ、タマ、タマ」

本来、私は「犬派」なのだが、どういうわけか、

にわかに、「猫派」になりつつあるのである。

「人間は、複雑だなあ」