『余命一ヶ月の花嫁』を観る

2009/12/25

 


話題になった映画である。

失礼ながら、この種の映画とペットの映画は、

「お涙ちょうだい」が多いのだが、

よく企画された映画である。

バックミュージックも、なかなか精錬されている。

オシャレな、ラブストーリーの一面もあり、

全体に、よくまとめられた映画である。

なかでも、主演の女の子が可愛らしく、適役であった。

この種の映画としては、古くは、

吉永小百合と浜田光夫の「愛と死をみつめて」があるが、

この「余命一ヶ月の花嫁」は、現代版「愛と死をみつめて」であろうか。

この種の定番的な位置を「花嫁」は、占めそうである。

だが、私の個人的な感想としては、

タイトルが、あまりに、露骨だ。

物語の後半も露骨すぎるように思われるのだが。

ところで、ガンは「死」に対して直線的であるが、

「ALS」は「死」と平行に歩む。

年々、その平行線の距離が狭くなって、いつか、その距離がクロスする。

「ガン」に比べて、ドラマチックな死に至らない。

だから「ALS」は「花嫁」にはなりにくい。

この「花嫁」の最後のシーンに、原作者の思いやり、思い入れを感じるのである。