『夢、幻のごとく』

2009/05/23

 




私は、5月7日で、59歳になった。

「かぞえ」でいうと、「還暦」である。

「ついに」という思いがあるが、俗にいう「いい歳」でもある。

発病の頃は、50歳までは、生きないと思っていた。

信長が、「人生50年………夢、幻のごとくなり」と、舞、歌ったが、

まさに夢、幻の20年であった。

その後、「還暦」をより所にして、様々な苦難や試練に耐えてきたが、

今、「還暦」を前にして、「さて、どうしたものか」と、夢遊している。

信長は、50を前にして、象徴的な死に方をしたが、

「死」は、その人の最後の表現方法のような気がしてならない。

死に様を選択できるわけではないが、

神が、その人に与えた最後の試練のような気がしているのである。

さて、私は?

ALSは、癌と同じように、誰でもその素質は持っていて、

何かのきっかけで発病するように思う。

ALSは、誰の細胞にも潜在しているのである。

発病するか、否かは、その人の運命としかいいようがないだろう。

「ALSは、わが内にあり」などと幼稚な事をゆわないが、

光秀のあの言葉が、妙に気になるのである。

「敵は、本能寺にあり!」