『スピード』

2008/05/03

 





横綱朝青龍の強さの秘訣が、速攻相撲にある事は、衆知の通りである。

スピードが、テクニックを、パワーを、圧倒するのである。

少し専門的になるが、早稲田ラグビーの強さの秘訣もスピードにある。

パワーの、フォワード戦を得意とする明治や慶応を、

スピードの早稲田が粉砕するのである。

スピードラグビーは、観客を魅了する。

スピードは、観客に痛快さと小気味よさを与える。

しかし、スピードは万能ではない。

スピードに対抗できるのは、唯一、「キャリア」であろう。

スピードは、「引かれる」と脆さを露呈する。

「キャリア」は、スピードの行方を予測できるからである。

スピードは政治の世界にも、いえる事である。

小泉元総理は、その決断力の速さによって、長期政権を可能にしたのである。

派閥を持たない彼が、いわゆる、抵抗勢力を払いのけたのは、

彼の決断の速さによる所が大である。

しかし、ここでも、キャリアを持つA議員の抵抗を受ける事になる。

ところで、安倍元総理は、小泉元総理の決断力の速さを踏襲できなかった。

それが、彼の失脚の原因一つでもある。

決断力の是非は、国益を左右しかねない。

我々の日常生活においても、決断力の速さは、

チャンスロスを少なくし、後悔を軽減するであろう。

飛躍するが、恋愛においても、決断の速さは、功を奏するであろう。

ここでも、恋愛経験の豊富なキャリアの持ち主には、太刀打ちできない。

それは、彼が引き際を心得ているからである。

痛手を負わず、深みにもはまらず、スマートに恋愛するからである。

何事も、常にスピードを意識して、キャリアを積んでいく事が肝要であろうか。