『期待と信用』

2007/12/16

 




京都大学で研究されている、今話題の「万能細胞」のニュースは、

私を、久し振りに色めき立たせた。

世界中の医療関係者や、当事者達の注目を浴びているし、期待もされている。

国も異例の数億円の支援を決定した。

この事は、国も注目しているだけでなく、期待している証拠であろう。

欲を言えば、厚労省にプロジェクトチームを発足していただき、

官民共に支援態勢をとっていただきたいものである。

ALSの私としても、注目しているし期待もしている。

しかしながら、この種のニュースやデータは、殆どの場合、

立消えになったりして、期待外れで終わってしまう場合が多い。

私も注目はしているが、二の足を踏んでしまうのが、現状である。

失望、落胆のショックが、大きいからである。

哀しくも、防衛反応が働くのであろうか。

ところで、現実問題として、この「万能細胞」が、神経細胞を再生できたとして、

ALSにどの程度有効的かどうかは、未知数だし、疑問である。

いずれにしても、我々患者の期待を裏切らない展開をしてほしいものである。

このニュースは、一般の殆どの方は注目するであろうが、

一過性のニュースとして期待するまでの認識は持たないであろう。

やがて風化していくであろうか。

このニュースにおいても、注目と期待の間には、

当事者と第三者とのスタンスの違いが存在する。

第三者の客観性と冷静さが、当事者にも必要な状況があるであろうか。

注目と期待のバランス関係を、不謹慎ながら、

人間関係における信頼と信用に置き換えてみる。

信頼から信用が生まれるのか、信用から信頼が生まれるのか。

微妙な展開の差になる。

私は、信頼から信用が生まれると思われる。

キャラクターや、立場の違いによって異なると思われるが、

私は男も女も、多少バカ正直なくらいが、信用度が高まるような気がするのだが。

損得勘定ばかりを優先して計算高い人は、如何なものかと思う。

信頼は、仕事の質や量によって左右されるであろう。

信用は、仕事に対する取り組み方やスタンスの違いによって生まれるであろう。

いずれも、私の介護には欠かせない人間関係であろう。

「でも、でも、でも、そんなの関係ねえ!」