『プロデュース』

2007/9/29

 




徳永英明の『ヴォーカリスト』が流行っている。

このCDの特長は、全曲女性ヴォーカルのヒット曲をカバーしていることだ。

それに、少し前あるいは、ひと昔ふた昔前のヒット曲をカバーしているので、

私のような50才代から、原曲をリアルタイムで体験していない20才代までの

幅広い年代層にうけている。

女性の歌を、徳永のフェミニンな歌声で歌うことも、異色な企画だ。

オリジナルをはるかに凌ぐものもあり、

やはり、オリジナルのほうがフィットするものもあり、

そこそこに楽しめるCDだ。

プロデューサーの企画勝ちであろうか。

何事もプロデュースするセンスは、その分野に習熟していることは勿論だが、

着眼するセンスや発想力も重要なポイントだ。

それに、時代を見抜く洞察力も。

更に、大きなポイントは、時代の偶然だ。

30年前にヒットした『泳げ!たいやきくん』は、時代の偶然以外のなにものでもない。

更には、人形劇の『ひょっこりひょうたん島』のタイトルソングを、

モーニング娘。に歌わせたつんく♂のプロデュースぶりは、見事だ。

「目からウロコ」ものだ。まさに、名プロデュースだ。

政治の世界にもプロデュースは見られる。

安倍氏を総理に推した、小泉元総理のプロデュースは、

我々国民には失敗したかのように見えるのだが。

安倍元総理のバブル人気を小泉元総理は見抜いていたであろうし、

その後の安倍元総理の迷走ぶりも予見できていたはずである。

それなのに何故、安倍氏を総理にプロデュースしたのであろうか。

小泉元総理の実績保身か、それとも、保守本流への回帰のプロセスか、

いずれにしても、自民党的には良いプロデュースになったわけだ。

良いプロデュースは、思考を動かし、発想を転換させる。

イメージを広げることも。

『壊れたラジオ』ではなく『壊れかけのradio』にすることによって、思考が動く。

端的に言えば、「ingの美学」と、でも言えるであろうか。

私は、このホームページを通して、ALSをプロデュースできているであろうか。

ALSに、時代の偶然が起これば、私の暦時計は、再び時を刻み始めるのだが。

「目からウロコ」もののプロデュースをしてみたいものだ。