2006/11/23



「立場は人を作る」という言葉がある。

このことは、小泉元総理の例などが典型的であろうか。

彼は、平議員のときは異端児扱いされ、

保守本流とは対極的な位置にいた。

しかし、今や彼が本流になりつつあるし、

歴代の名総理に引けをとらない。

まさに、総理という立場が彼を作ったと言えようか。

この言葉は、必ずしも好意的に使われるとは限らない。

「立場は人を変える」これなどは多少揶揄しているであろうか。

立場を環境に置き換えると、より明瞭になる。

「環境は、人を変える」と。

私にとってALSとの18年は、

私を変えるに必要十分な条件を満たしているかのように思える。

肉体は、相撲で言うところの、

死に体であるが、精神はどのように変化したのであろうか。

客観的なデーターとしても、興味あるところである。

よくぞ、ALSに18年も適応してきたものである。

しかし、あと4年で還暦である。

会社員なら、定年退職を迎えることになる。

すでに、月は傾いてしまったなあと、実感するのである。

先日ある雑誌に、

「我々患者が、生き続けなければ、ALS研究の進歩はない」という

ダイナミックな言葉に遭遇した。

その言葉に、もう一度仕切り直してみるかと思うのである。

「月がとっても青いから、遠回りして帰ろう」ってか。