2005/12/06


今、政治が面白い。

これは、やはり、小泉総理になってからであろう。

彼は自民党には珍しく、野党的なパフォーマンスの持ち主である。

それゆえ、魅力的なのであろう。

今回の郵政法案をめぐっての対応と事の顛末は、興味深い。

衆議院選挙の焦点を与党は郵政一本に絞って、反復連打した。

それに反して、岡田民主党は、

年金問題あり、財政改革あり、少子化問題あり、焦点が定まらず、

国民に訴えかける迫力に欠けていた。

当事者自身も迷走している感さえあった。

これでは、いくら政権交代を訴えても国民には通じないであろう。

やはり、テーマを単一に絞って、反復連打した与党の勝利は、

戦う前に見えていた。

与党の一方的な戦略勝ちであった。

例えは適切ではないが、

誰にでも優しい男は結局のところ、

一人の女性もゲットできない、と似ているのであろうか。

是非や賛否はともかく、反復連打なのである。

再提出された郵政法案をめぐっての各議員の対応も興味深い。

A議員は、選挙結果が与党の大勝利と判明するや否や、

素早く風向きを判断して、反対から賛成に身を投じた。

この政治家などは、機を見て敏な政治家の典型であろう。

B議員は、頑固一徹に信念を曲げずに、反対票を再提出した。

この議員も、風を読めないわけではないであろうが、

信念を曲げず、行動したことは、それなりに、各方面から評価されるであろう。

この議員も、典型的な政治家のひとりであろう。

注目は、C議員である。

C議員は、風も読めず、機敏な行動も取れず、いたずらに苦悩した挙句

保身の為に信念を曲げ、反対から賛成に身を投じた。

この議員の政治生命は終わったとも言えよう。

なんとも人間臭い対応ではあった。

私なども、人ごとではないので、この議員に同情しなくもないのである。

事、政治や政治家に限らず、一般社会などにおいても、

風向きを知り、反復連打する思想は必要であろう。