ゴリラの背中

2008/12/11




どういう風の吹き回しか、上野動物園に行ってきたのです。

20数年ぶりです。

今回は、上野の森を抜けての、正面入口からの入園でした。

「森を抜けると、動物園だった。」

こちらからの入園の方が、展開に趣があって楽しい。

近年、北海道の旭山動物園が、臨場感溢れる動物園として

注目されて以来、動物園が脚光を浴びてきたように思われる。

その影響で、動物園自体も、

活性化に努める所も増えてきたように思われる。

その辺の興味もあって、今回の入園にもなったのです。

何事も切羽詰まると,意外な可能性を発揮するものです。

さて、上野動物園ですが、残念な事にその期待は、外れる事になりました。

パンダの亡き後の工夫もなされていませんでした。

旧態依然とした、管理された動物園でした。

厳しい言い方をすれば、企業として努力がなされていない。

それはともあれ、4畳半で天井を見ていたのでは、

味わえない刺激的な時間を過ごす事ができたのです。

動物園に入園したのは、2時過ぎでしたので、

遊園時間は2時間あまりでした。

西園は回れませんでした。

東園の中でも、唐突に現れた茶室は、その必然性に疑問を持ちました。

説明書きがあったはずだが、見逃してしまった。

カピバラという小動物は、大木の前で、

身動きしないのに、思わず失笑してしまいました。

なにか、いじけているように見えたのです。



ゴリラの背中は、何故、哀愁を帯びて見えるのだろうか。

ゴリラに限らず、動物園の動物のほとんどが、

なぜ、哀愁を帯びてみえるのだろうか。

私の思い過ごしであろうが、

それは、野生の本能を封印された為のストレスからくるものではないであろうか。

そう思うと、哀れとしか言いようがない。

私もALSによって、肉体の自由を奪われたが、

いくら、肉体と精神は別といっても、限界はあるであろう。

ヘルパーの皆さんには、私はどのように見えるのであろうか。

なにか、来年も動物園に行きたいと、しみじみ思ったのです。