桜舞う中を

2008/4/19




今年のお花見は、武蔵丘陵森林公園に行きました。

今年も大型バスをチャーターしての、20人の参加になりました。



今年のメンバーの特徴は、男性が7人の参加となった事と、

レイさんのオーナーの原田さんが参加下さった事です。



春の嵐の中の、狭間の晴天に恵まれました。

まさに、私は、晴れ男を実感したのです。



今年は、ALSを発病して20年目になります。

発病当初は、絶望しか目に入りませんでしたが、

最近、私にとってALSは、日常になってしまいました。

20年の間に、たくさんの人に介護を受け、実に、様々な人に出会いました。

それらの事が、今は、財産となって蓄積しているように思われます。

あらためて、感謝する次第です。



この花見も、会を重ねる度に、参加メンバーに対する感謝が深まります。

東京では、既に、葉桜になってしまいましたが、

ここでは、満開の時期を少し過ぎて、桜吹雪状態でした。

桜絨毯の山道を、日差しを追い求めながら、浮遊していきました。

毎回思う事ですが、「歩けたらなぁ」と、あるいは、歩けるようになったら、

再び訪れたいなと、痛感するのでした。

参加メンバーの中に、大学時代からの親友がいます。

彼は毎回参加して下さいますが、彼の顔を見ると、

なぜか、感無量になってしまいます。



心理的にどういう状況なのか、分析しかねますが、

私の今の無念の思いが、明瞭になるのであろうか。

それとも、五体満足の頃の私が、彷彿と蘇るのであろうか。

いずれも、的を得ていないように思えるのですが。



帰途について、入口の前の噴水まで来た時に、

思いがけず、以前お世話になったヘルパーさんに再会したのです。

彼女は,つい半年前に、都合でお辞めになったのに、

随分昔のように思うのは、何故だろうか。

他のヘルパーさんにとっても、彼女との再会は、ハプニングだったようです。

小さいお子さん二人連れの彼女との再会は、

このお花見の小さなイベントになりました。

周囲の喧騒とは裏腹に私は、昔の私に再会したいものだと、ぼんやり思っていたら、

噴水のシャワーが風に流されて、私の顔を覆ったのでした。