「カンファレンスが行われました」

2007/9/22


彰からのメッセージ



私は、ALSを発病して19年になります。

沢山の色々な苦悩と逡巡がありました。

死にそうになったことも何度もありましたが、

その都度、幸運に見守られて、永らえてきました。

ご覧の通り、私はひとりでは何ひとつできません。

ヘルパーの皆さんの手を借りて、

何とか、そこそこの社会生活を営むことができます。

その意味では、私のQOLは、ヘルパーの皆さんにかかっていると言っても、

過言ではありません。

今月は、3人のヘルパーさんがデビューしました。

半年後には、その3人の方は、技術的な進歩は勿論、

精神的変身を遂げてスーパーヘルパーになると思います。

不安と恐怖に満ちていた顔が、自信に満ちた顔と態度に変身するのです。

沢山の方が、私を通して変身のプロセスを踏んできました。

私を媒体として、沢山の方がALSを認識し体験していただき、

僭越ながら、五体満足の素晴らしさを実感していただけたら、光栄に思います。

現在、4社15人のヘルパーさんにお世話になっていますが、

更に、安定した介護体制をつくるには、若干名のヘルパーさんが必要です。

この場をお借りして、改めて、皆様にヘルパーの人選をお願いします。

私の介護の周辺事情の問題点を、4件程提案させていただきます。


1、私の介護サービスの内訳は、およそ介護保険が20%、
自立支援が80%の構成になっています。
この比率は、あまりにもアンバランスではないでしょうか。
現在の保険制度ではこれで限界なのです。
介護度5度では、私のような吸引しながら24時間介護の病人には、
対応しきれません。
スペシャルランクの新設が望まれます。

2、1の介護保険の比率を少しでもアップさせるには、
現在、介護保険で扱っている巡回入浴サービスや
リースベッド等を障害保険などに切り替えられればと、
思います。
介護保険と自立支援のアンバランスさは、
様々な弊害を生む可能性があります。
例えば、自立支援のところには、
ヘルパーを派遣しないという、事業所の可能性もあります。

3、介護保険と自立支援では、同じ仕事をしていても、
国から事業所に支払われる支給額が2倍以上の格差があります。
これは、理不尽で、不公平極まりない。
至急、この格差は、是正されるべきです。
この件に関しては、ALS協会の代表が、
厚労省に請願書を出したという動きもあったようです。

4、現在、ALSなどに関しては、時限立法ながら、
ヘルパーによる吸引が認可されています。
このこと自体は評価されることですが、
吸引するヘルパーの待遇が放置されています。
これは、片手落ちと言わざるを得ません。
至急改善されるべきでしょう。
将来的には、資格制度で対応すべきでしょう。

以上が、気になっていることです。

いずれかひとつでも改善されれば、我々障害者のQOLは、

飛躍的に前進するのですが。

私はあと3年で、還暦を迎えます。

私の人生の3分の1の20年を、ALSと共存することになります。

長い、長い、ですね。

私の40代と50代は、空白の時代になってしまいました。

私の暦時計は、39才で止まっています。

再び、動き出すことはないでしょうが、

せめて錆び付かないようにメンテナンスだけは、

心がけたいと思っています。

皆様方のご支援ご協力を、切に宜しくお願いいたします。

本日は、ご多忙のところお越しいただき、誠にありがとうございます。

このカンファが、認識だけにとどまらず、

少しでもステップアップされることを祈ります。

以上