「ミニ観葉」は、ある女性をモデルに書いたものである。 もちろん、私の病状を題材にしたものではあるが、 多少遊び心も加えて、根も葉もある嘘を書いたものである。 私にとっては、かわいくかけたと思って、自画自賛している。 病気も、小康状態になり、精神的に落ち着いてきて、 振り返る余裕も出てきたのであろう。 勝手ながら、私の主観で本分を抜粋します。 ![]() ひと昔前、「ミニ観葉」という、小さな植物が流行ったことがあった。 手のひらにのるようなホントに小さなもので、鉢をいれても十センチ程だろうか。 三ミリ程度の幹に数本の枝をつけ、葉は小指の爪の半分ほどで、まだ薄緑色で幼い。 試しに私も買って、勤務先の私の机に置いてみる事にした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 彼女は入社二年目である。 面長の顔立ちで、派手な目鼻立ちではないがバランスがよく、 笑うと八重歯をのぞかせる。 「ちょっと、よろしいですか?」 彼女は植木を手にとると高くかざした。 あごのラインがとてもきれいで、小さなホクロがある。 地味で印象が薄いためか、まだ、男性社員には注目されてないようである。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私の入院が長期になる、と報告した段階ですぐに人事は動き出したようだった。 やむを得ない事ではあるが・・・。 私の欠勤は、有給休暇で処理された後、人事部付けになり、白旗をあげることになる。 再入院が決った段階で、私の気持ちは焦りから諦めにシフトしていった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私は顔を歪め、口をひきつらせながら微笑んでいた。 ・・・でも、何で微笑んだのか、私にもよく分からなかった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 微笑んだのは、言わずもがなだが、 彼女の思い出に、ひとり悦に入っていたに違いないのである。 |