「ミニ観葉」は、ある女性をモデルに書いたものである。

もちろん、私の病状を題材にしたものではあるが、

多少遊び心も加えて、根も葉もある嘘を書いたものである。

私にとっては、かわいくかけたと思って、自画自賛している。

病気も、小康状態になり、精神的に落ち着いてきて、

振り返る余裕も出てきたのであろう。

勝手ながら、私の主観で本分を抜粋します。



ひと昔前、「ミニ観葉」という、小さな植物が流行ったことがあった。

手のひらにのるようなホントに小さなもので、鉢をいれても十センチ程だろうか。

三ミリ程度の幹に数本の枝をつけ、葉は小指の爪の半分ほどで、まだ薄緑色で幼い。

試しに私も買って、勤務先の私の机に置いてみる事にした。

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彼女は入社二年目である。

面長の顔立ちで、派手な目鼻立ちではないがバランスがよく、

笑うと八重歯をのぞかせる。

「ちょっと、よろしいですか?」

彼女は植木を手にとると高くかざした。

あごのラインがとてもきれいで、小さなホクロがある。

地味で印象が薄いためか、まだ、男性社員には注目されてないようである。

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私の入院が長期になる、と報告した段階ですぐに人事は動き出したようだった。

やむを得ない事ではあるが・・・。

私の欠勤は、有給休暇で処理された後、人事部付けになり、白旗をあげることになる。

再入院が決った段階で、私の気持ちは焦りから諦めにシフトしていった。

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私は顔を歪め、口をひきつらせながら微笑んでいた。

・・・でも、何で微笑んだのか、私にもよく分からなかった。

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微笑んだのは、言わずもがなだが、

彼女の思い出に、ひとり悦に入っていたに違いないのである。